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- 小児矯正の必要性
大人の矯正との違い
大人は顎の成長が完了しており、既に出来上がった顎の中で歯の位置を動かし、矯正を行います。それに対して、子どもはまだ顎の成長途中であり、顎や骨を調整しながらの矯正が可能です。
顎や骨の調整といっても、大掛かりな治療が必要なわけではありません。顎や口周りの成長を阻む要因を取り除き、良い口腔習慣を促すだけでも、子どもの口周りは変わっていきます。こうした生活習慣の修正は、将来の抜歯を防ぐのはもちろん、噛み合わせの改善による食事時間の短縮、胃腸の負担の軽減にもつながります。
矯正は大人になってからでも可能であり、遅すぎるということはありません。しかし、子どものうちからの対策に、メリットがあるのもまた事実です。
顎の成長
子どもの顎は、10〜14歳ごろに急成長します。その時期に間違った口腔習慣が定着していると、顎が上手く成長できません。
間違った口腔習慣には、以下のようなものが挙げられます。
- 舌を常に低い位置に置く
- 舌を前に出し、下唇を過剰に動かして飲み込む
- 奥歯でしっかり噛まない、など
該当の習慣をお持ちでしたら、顎の急成長が始まる前に、改善に取り組むことをおすすめします。
全身の健康への影響
間違った口腔習慣は唾液の分泌を阻み、胃腸の負担を増やします。また、顎の筋肉のバランスが極端に悪化すると、全身の筋肉や骨格にも影響を与えかねません。
反対に、正しい口腔習慣は、唾液の分泌を促し、顎の筋肉をバランス良く成長させます。胃腸の負担が軽くなるのはもちろん、全身の健やかな成長にもつながります。
お子様はいまどんな歯並び?
お子様の歯並びが気になり、小児矯正を受けるべきかどうか、お悩みのお母様も多いことと思います。
歯並びの悪さは、お子様のコンプレックスになりうるだけでなく、身体の健やかな成長を阻む可能性もあります。お子様が以下のような状態にある場合は、注意深く経過を観察しましょう。
歯並びの問題とその原因を探るのは、簡単なことではありません。お子様の歯並びに不安やお悩みがあるお母様は、まず当院までご相談ください。
叢生(そうせい)
歯が重なりあって、ガタガタしている歯の状態が叢生(そうせい)といいます。
食べかすが残りやすく、歯みがきをする際に、歯の隙間に歯ブラシが入らず、虫歯になるリスクもあります。乳歯が早く抜けてしまい、永久歯の生えるスペースが十分にない状態で生えてしまった際に起こりえます。
受け口(下顎前突)
下の歯が上の歯より前にでている状態を受け口(下顎前突)と言います。
食べ物がよく噛めないだけではなく、見た目(しゃくれた状態)や発音にも影響を与える可能性があります。
成長期に入ると、下の前歯に負担がかかる可能性があるので、幼少期からケアしておくことが大切です。
指しゃぶりの癖や口呼吸が原因で舌が下の前歯を押してしまい、前に出てくることがあります。
交叉咬合(こうさこうごう)・クロスバイト
上の奥歯が下の奥歯の内側にはいってしまった状態のことを交叉咬合(こうさこうごう)と言います。
歯がそれぞれ入り組んでしまっているので、顎に負担がかかり、顎関節症を起こす原因にもなります。
いつも同じ向きに頬杖をついたり、寝る向きが同じであったり、長期的なおしゃぶりの使用や指しゃぶりでが原因で歯の向きがズレてしまい、交叉咬合(こうさこうごう)が起こることがあります。
開咬(かいこう)・オープンバイト
奥歯を噛んだ時に、前の歯が合わさらず、隙間が空いてしまっている状態を開咬(かいこう)と言います。
歯の間から舌が出ている状態になることもあります。発音が悪くなってしまったり、前歯で食べ物を髪切ることができない状態になります。おしゃぶり・指しゃぶりを長期間続けてしまっていると、そのまま顎が成長してしまい、開咬(かいこう)の状態になる可能性があります。
過蓋咬合(かがいこうごう)
上下の噛み合わせが深く、上の前歯によって、下の歯が見えづらくなってしまっている状態を過蓋咬合(かがいこうごう)と言います。
噛み合わせが深くなってしまうので、奥歯に強い負担がかかってしまい、噛み合わせが制限されることで、顎関節症を引き起こす可能性もあります。歯ぎしりや食いしばりで奥歯が擦れてしまったり、虫歯になってしまって、奥歯の高さが合わなくなってしまった際に起こりえます。
出っ歯・上顎前突(じょうがくぜんとつ)
前歯が突出してしまい、唇が閉じづらい状況を出っ歯・上顎前突(じょうがくぜんとつ)と言います。
唇が閉じづらい状況なので、口の中が乾いてしまい、虫歯や歯周病にリスクが高まり、口が乾くので、口臭の原因になります。鼻炎や上の顎の成長が遅く、口呼吸が続いてしまうと、呼吸しやすいように顎が成長してしまうので、出っ歯・上顎前突(じょうがくぜんとつ)になりやすくなります。
矯正を始めるタイミング
乳歯と永久歯
乳歯は生後6ヶ月ごろから、下の前歯・上の前歯・前歯の両隣4本・臼歯の順に生え、2歳半~3歳ごろを目安に生え揃います。本数は、前歯8本・犬歯4本・臼歯8本の、合計20本です。
永久歯は6歳ごろから、下の前歯・大臼歯を皮切りに、その後は前歯から奥歯の順に、12歳ごろを目安に生え揃います。本数は、前歯8本・犬歯4本・小臼歯8本・奥歯8本の、合計28本です。
加えて、上下合計4本の親知らずが、17〜21歳ごろに生える場合があります。
ただし、これはあくまで一般的な目安にしか過ぎません。歯が生える時期や順序には、個人差があります。
第一期治療(6歳〜9歳)が大切な時期です
小児矯正には、永久歯に生え変わる途中で行う第一期矯正、永久歯に生え変わってから行う第二期矯正の2種類があります。永久歯が生え変わった後の顎には、それまでのような成長が見込めません。
そのため、第一期矯正は顎を拡大してスペースを確保する治療、第二期矯正は永久歯を移動させる治療をメインに行います。第二期矯正は成人矯正に近く、第一期矯正ほど小児矯正のメリットが得られません。
小学校入学前後で一度ご相談ください
小児矯正は第一期矯正、つまり永久歯が生え変わる途中で行うのが最良です。第一期矯正であれば、顎の成長を利用して、小児矯正ならではの負担の少ない治療が行えます。
しかし、お母様がその最良のタイミングを見極めるのは、簡単なことではありません。お子様の歯並びが気になる場合は、年長さん〜小学校入学前の6〜7歳ごろを目安に、ぜひ一度早めにご相談ください。
本格的な矯正治療の前に原因の改善にも力を入れています。
間違った噛み方や舌の位置、口呼吸などの習慣は、顎の発達や噛み合わせに悪影響を与えます。当院では、そうした悪い口腔習慣を改善すべく、お口周りの筋肉トレーニング(MFT)を行っています。
正しい噛み方や呼吸の仕方は、実は「自然と身につくもの」ではありません。大人がわかりやすく見本を示し、積極的に子どもに教えていく必要があります。
小児歯科ふじわら歯科のMFTは、まず口腔習慣の指導・改善から始まり、必要に応じてプレオルソやマイオブレース(マウスピース)を使ったトレーニングへと進んでいきます。
愛煙者がなかなか禁煙できないように、長年続けた習慣は、簡単には改善できません。お口周りに気になる癖がある場合は、お子様のためにもお母様のためにも、ぜひお早めにご相談ください。
お子さん成長はそれぞれです。治療の有無にかかわらず、お気軽にご相談ください。
お子様の成長には個人差があり、平均値や一般論のみでは語れません。不安がある場合は早めに専門医に相談し、お子様ご本人を診てもらいましょう。
当院では、治療の有無とは関係なく、お子様のお口の相談をお受けしています。お子様の歯並びや癖に不安があるお母様は、ぜひお気軽にご相談ください。